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余震の予測は難しい [▼Q&A]

先日の記事「緊急調査 ~地震のまとめ~」にこのようなコメントをいただきました(ちゃめさん、ありがとうございます)。

 伊豆の群発地震って、常識が通用しない地震のようだね。
 松代群発地震だったっけ?この地震も奇妙な振舞いを見せていたような気がするね。

いや、伊豆は地震発生後の余震活動を予測しやすいほうです。これまで何回も活動を繰りかえしているので地震観測の経験が蓄積されているからです。それでも余震予測が難しいということは、結局"経験"だけでは将来を予測できないことを意味しています。

なんとかして余震の予測をできないものでしょうか?現段階では地震=断層の破壊(群発地震であってもそう、ちいさな断層が連続して破壊する)そのものの場所や規模、破壊の様子を詳しく知る事は可能です。しかし地震のあと、震源の周辺にどういった力がかかったのかを観測する方法がまだないので、余震の発生予測を立てにくいのです。天気予報で言えば、"雨が降っている場所は分かっているが、雲の分布も気圧配置もわからない"、そんな状況で天気予報をするようなものです。ではどうすればよいでしょう?地殻にかかっている力(応力といいます)を連続的に測定する装置を開発するか、応力が測れないのであれば他の観測でそれを補うことが考えられます。これらの努力がいま日本を中心として行われています。まだまだ手探りですが、確実に余震発生の予測は現実のものとなりつつあります。

※近年の岩石実験やモデル解析の結果、地殻応力がある程度わかれば余震の発生予測ができそうだ、という研究成果も登場しています(群発地震発生のメカニズムを解明:モデル計算からは図2の赤い部分で余震がおきやすいと予測され、実際にその範囲内で余震活動が起きた)。

※今回の伊豆沖地震は群発地震というよりは本震-余震型の活動です。4/21~29の地震活動はほぼ線状に並んでいて、地震の規模や回数も21日から日がたつにつれて減少しているからです。
・本震-余震タイプ:大きな地震(本震)の後に小さな地震(余震)が起きる。本震に匹敵するくらい大きな余震が起きることもある。余震は本震で割れた断層面に沿って起きる。おそらく、われ残った断層面が割れているのだろう。
・群発地震タイプ:ある期間に比較的せまい地域で集中的に発生する。本震・余震の区別はない。地震の震源が徐々に浅くなってくる場合もある。
ただ今回の一連の地震活動では、断層面から離れた場所で別の活動が誘発されたことが奇妙さと不安をかきたてています。

※文中の松代群発地震は、1965年から5年間続いた地震です。地震活動中に地下水が地表に湧き出してきたことでも知られています。松代群発地震 Wikiを参照してね。

※上記は余震発生予測についての記述であり、何の前触れもなく発生する本震(巨大地震など)は同様の方法でできるかどうかは不明です。今後の研究にかかっています。

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コメント 2

ちゃめ

 丁寧な解説、有難うございます。
 まさかここまで投稿で返答されるとは、思っていませんでした(笑)。
 また「素朴な疑問」、こっそりと置いていきましょう:-)
by ちゃめ (2006-05-10 13:14) 

MANTA

- 素朴な疑問、大事です。大歓迎です。今後ともよろしくお願いいたします。
ちゃめさんに頂いたコメントのとおり、私自身も今回の地震は何が「常識」と違って「奇妙」に思えるのかを考えたら、長い記事になってしまいました(笑)
by MANTA (2006-05-11 08:36) 

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