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アメリカという"個人" ~2~ [ 科学ニュース Old..]

前の記事で紹介した「そうだったのか!アメリカ」を読みながら、調査船の上でのアメリカと日本の違いを思い出しました。

2003年にアメリカの調査船に乗る機会がありました。乗船中にちょっと驚いたのは、アメリカの研究者はいくら自分が暇でも、忙しくしている他のアメリカ人研究者を手伝うことってあまりなかったのです。忙しくしている方も「これは俺の仕事だから手助け無用」ってかんじでした。彼らのグループの役割分担や責任の所在ははっきりしていたように思います。

日本の研究者は調査船に乗ったら他の研究者の仕事も手伝うように習います(普通の会社や学校でもそうならいますよね?)。自分の仕事が終わっていても他人が仕事してるとなんとなく甲板にでていって「手伝おうか?」などといったりして、協力して仕事を早く片付けることが普通です。日本人には良くも悪くも「みんな仲良く」という協力する文化があるんだろうとおもいます。日本は島国で狭い土地・厳しい自然の中で育ってきたから、そんな協力意識が芽生えたのかなあ?

   力をあわせる日本人の例

あと、アメリカ人は合理性(ある考えや行動が理屈には合っていること)が好きですね。
こんなことがありました。ある時、別の調査船に乗っていてちょっと暇だったのでアメリカ製の海底観測装置のイラストをメモ帳に描いてました。一生懸命描いてましたが、まあ、暇つぶしの落書きです。するとアメリカ人の研究者が不思議そうな顔をして聞いてきました。
 彼:なぜそのようなことをしているのだ?
 私:いや特に理由はないよ
 彼:なぜなんだ?
 私:(しつこいなあ)日本に帰って将来同じような装置を作るときの参考にね ←でまかせ
 彼:(安心したように)なるほど!
 私:(納得してくれた…)
 彼:みんな!すごいよ、日本で装置作るために作るためにスケッチしてるよー!
あぁ、そんなこと思ってもなかったのに。アメリカ人がみんな見に来るよ。恥ずかしい。
彼のあの行動はなんだったんだろう?と、いまもちょっと気になります。彼にとっては理由もなくチマチマと無駄な作業している日本人に、彼なりの理由付けをしたかったのかな?と私は勝手に解釈しています。彼らなりの個人主義的な合理性がアメリカ人の規範でしょうか?であれば日本人にとっては「全体主義的な合理性」が尊ばれている?のかな…

さて科学の面では日本人はどうすればアメリカ人に負けずにがんばれるでしょうか?個人プレーではアメリカの研究者達の徹底した個人主義には勝てない気がします。日本人は日本向きの科学プロジェクトの進め方や成果の出し方、例えば「大勢で寄って集って」取り組めるような研究方法を考えればいいのでしょうか? 具体的イメージがわきませんね…アメリカ流を日本なりにアレンジして取り入れる必要がありそうですね。一方、近年は科学分野(+日本社会全体も)をアメリカ化することが盲目的に進められています。競わせれば結果がでると思っているようですが、私はあまりいい手とは思えません。

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※アメリカがもし個人主義のかたまりだとすると、彼らにとって「1億の同じ顔」が並ぶ日本は脅威でしょう。アメリカは戦後の日本に対して、日本人の一体感が脅威でそれをそぐためにアメリカ流を課しているのではないのか?なんて勝手に考えたりして。


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コメント 6

ちゃめ

>彼のあの行動はなんだったんだろう?
 オープンな情報共有、でしょう(笑)。

>日本人にとっては「全体主義的な合理性」が尊ばれている?のかな…
 日本は世界で最も成功した「社会主義国家」と揶揄された事がありましたね、20年程前ですが。
 疑いなく全体主義でしょうね、つまり「ムラ」ですね。
 
>例えば「大勢で寄って集って」取り組めるような研究方法を考えればいいのでしょうか? 
 ダメでしょう。
 方法ではなく、個々人の態度、つまり考え方が問題だと思います。
 日本人は「他人の意見を聞く」という習慣に乏しいうえに、上位者、つまり権威者の意見が絶対的に強いです。
「大勢で寄って集って」を望むのであれば、ブレインストーミングを「習慣」として身に付け、地位に拘らずに意見を聞く、という「習慣」を身に付ける必要があるでしょう。
 個人レベルで考えると、日本人はアメリカ人と十分に対抗できる、と思います。
 しかし、上記したような「環境」は、アメリカよりも数段悪いですね。
 
>アメリカ流を課しているのではないのか?
 アメリカの世界戦略ですね。
 世界中がみなアメリカ人と同じ様に考え、行動し、消費する、というモデルを、アメリカは輸出しつづけてきましたよね。
 ただし、「個人主義」に付随する大切な部分、つまり権利と義務ならば、義務の部分や、自由と責任ならば、責任の部分を、日本人は学んでいない、と思います。
 ムラ社会で責任を曖昧にしてきたから、でしょうね。
 おかげで「個人主義」の悪い点のみが、社会に蔓延しているように、私には思えます。
by ちゃめ (2006-05-15 00:00) 

かっぱ

「仲良く協力する」を取り違えてる人、知ってます。
 24時間の隔時観測で、その班は人手不足。夜中のワッチを飛ばします。
つきましては、計測のスタートキーを定時になったら押して下さいと、乗組員に頼む。どうせあんたら起きてんねから、キー押すぐらいいいでしょ。
つきましては、この測器での観測もやって、と他の観測班に頼む。どうせあんたら起きてんねから、ついでに観測してくれてもいいでしょ。
 んなあほな。
 これがエスカレートすると、船に乗らず、
これもついでに観測してきて。どうせあんたら、観測しに行くんでしょ。わたしゃ忙しいから。
となる。別に暇で行ってるわけやないって!
 責任を全く理解できていない典型ですが、こういう人って結構偉いポジションに着いたりするんですよねー あーこわ。

 出張に行っていたので、自分のブログは更新できていましぇーん・・・明日からー
by かっぱ (2006-05-15 22:58) 

さるとる

日本人は和を大切にするとよく言われます。この和はその場限りの和なんですよね。時間的に一番遠い消費者やエンド・ユーザーよりも、いま直接関わっている人のほうが無意識に?大切であって(和を大切にする)、消費者、国民のため口角泡を飛ばすことがないのでは?。これが談合体質につながるのでは?自治体でも代表監査委員がその自治体の旧幹部で自治体長の絨毯敷き(提灯持ち)だったりします。飛躍しますがこれでは日本の物価は高くなるばかりです。そのほかの要因もあって、需要と供給の兼ね合いで値段が決まるという経済の原理は働かずに、日本では高いほうの値段に落ち着く傾向がありるようです。
 和は輪に通じるようで、和と輪の混合概念には「内」の概念だけがあり「外」という概念がなのでは?250年も鎖国していたほとんどの日本人は無意識に「内」の概念だけにとらわれていたのでは?多民族国家でありながらロケットの打ち上げの成功の数が失敗よりもはるかに多いのと、ワンワン国家と言われるほどほとんど日本語しかしゃべらないのに(つまりこの意味で能率、効率がいいはずなのに)、一基200億円とも言われるロケットの打ち上げの失敗の数が成功の数よりも多いのはどういう文化土壌なんでしょうね。でも種子島の打ち上げではここ二回成功しています。定着すると良いですね。小惑星「イトカワ」の探索用のロケットの打ち上げ成功のニュースは聞き逃したのかしら、それともどっかの国に打ち上げを依頼したののでしょうか。
by さるとる (2006-05-16 05:37) 

MANTA

- みなさま「和」に対するコメントありがとうございます。キーワードは「責任」でしょうか? たとえば「チーム」として評価する、なんてことで「和」と「責任」の両方を達成できないかなー、なんて思うのですが、いかがでしょうか?
by MANTA (2006-05-17 08:59) 

nakai

どうでもいいかもしれませんが、小惑星を探査した「はやぶさ」は、宇宙科学研究所(元東大の研究機関の大きくなったやつ。NASDAとは別組織だった)というところで作られ内之浦(種子島ではなく鹿児島県大隈半島にある町)で、M-Vロケット(H-IIAロケットとは完全に別系統)の5号機によって打ち上げられました。というわけでもちろん純国産です。しかもM-Vロケットはペンシルという鉛筆サイズの本当に原始的なロケットが進化したものです。H-IIAをはじめとする世界のほぼ全てのロケットはナチスドイツが開発したミサイルが大本ですが、M-Vだけは例外なのです。宇宙開発に詳しくない人しか知らないと思いますが、覚えておいていただけるとありがたい。
テレビで打ち上げのニュースはほとんど放送されませんでした。知らないロケットの話を聞いても視聴者は何もわからないでしょうから。
ちなみにH-IIは五回成功2回失敗(失敗の数が多いというのは間違い)で
H-IIA(H-IIとは違うから注意)は8回成功1回失敗(この成功率は無人ロケットでは世界最高レベルです。基本的にH-IIAをはじめとする世界の無人ロケットは20回中1回失敗する程度の設計がされています。信頼性を高めすぎると能力が下がりますし、コストもかかります。かといってそこまで信頼性を高めたところで事故はなくなりませんから。スペースシャトルがいい例です。)
基本的にテレビは失敗した時にしかニュースになりませんし、専門用語も多いので誤解されやすい。H-IIAの唯一の事故から三度の連続成功を収め、信頼性は極めて高くなっています。事故原因は当初の懸念が起こってしまったということで再び同じ事故は起こらないでしょう。
最後にもうひとつ。H-IIAは100億円です。H-IIから大幅なコストカットに成功し、国際競争力を獲得しました。あのスペースシャトルよりコストが安く、世界の商業シェアナンバーワンのアリアン5より成功率が順調なH-IIA。そんなに悪くないと思いますがどうでしょうか。
by nakai (2006-06-05 19:17) 

MANTA

- お詳しいコメント、ありがとうございます。もしかして関係者の方でしょうか?
わたしは宇宙はさっぱりで、種子島にも内之浦にもいったことがありません。先日、松浦氏の「のぞみ」のドキュメントを読み、「かはく」にある旧ランチャーをみて感慨にふけるの程度です。
そういえば松浦氏がM-Vロケットに関する新しい連載を開始されましたね。楽しみにしております。
by MANTA (2006-06-05 23:32) 

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