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靖国問題の「問題」 [ 研究実況 Old..]

たまには科学を離れて、時事ネタでも書いてみますか?
昨日の小泉首相の「靖国参拝」が新聞・テレビで大きく取り上げられています。
ところが私には「何が問題なのか」さっぱり理解できないのです。

 え、あそこってA級戦犯も祀られているんだよ!
 首相っていう国の代表がそこをお参りしてるんだよ!!
 アジア各国が不快感を示してるんだよ!!


それはわかっています。ただA級戦犯って、なんでしょうか? 国の代表の意味は?
わかっているようでこういう「言葉の定義」がきちっとできていない気がします。
・A級戦犯については、東京裁判そのものを無効とする考え方があり定義がはっきりしない
 =「戦犯」の定義とは?
・小泉首相は私人としての参拝を主張しているが、私人たりえないのではないかとの反論あり
 =「公私」の定義とは?
ディベートに関する記事で書きましたが、言葉をきちっと定義しないとこういう成否論はできません。どうも報道を見ていると、この定義をあいまいなまま、ただ騒いでいるように思うので「何を問題とした報道なのか」が私には理解できないのです。いや、、むしろ他のいろんな意図(対アジア外交、戦後補償、政権、自衛隊、改憲)を主張しようとする輩のかっこう宣伝の場になっているのではないでしょうか? そこには一宗教法人たる「靖国神社」そのものの宣伝活動も含まれていると思います。

A級戦犯の分祀合祀の問題もはっきりしません。例えばブログ「5号館のつぶやき」さんで、1978年の際の合祀の過程を少し紹介された上で、「合祀をいったん白紙に戻して議論してはどうか?」と書かれています(http://shinka3.exblog.jp/4337881)。マスコミにも同じ論調が見られますが、靖国神社のホームページを見る限りは合祀を続けるようです。

ただし、神社が何を祀ろうとそれは宗教の自由であって、国は介入できないないのではないでしょうか?仮に国が新たな戦没者慰霊施設を建てても同じであり、靖国は靖国のままあり続けるのです。しかし実際の報道各社の対応は、肝心の言葉の定義や問題の前提があいまいなまま、情報を垂れ流しているように思えてなりません。あるいは一宗教法人を神聖化しすぎていると思います。昨日の終戦記念日は、もっと静かに戦没者を追悼したり、戦争を省みたりするほうが重要だったのではないでしょうか?それこそ、マスコミが避けている「A級戦犯」とはなんだったのかをじっくり報道するほうが重要だったのではないか、とおもいます。

私個人は、政府の見解どおり、今回は小泉首相が私人として一宗教法人を終戦記念日に訪れた、ただそれだけだと考えています。現に中国・韓国も今回の参拝に対しては過去ほどの過剰な反応を示していません。これは結局中国なども彼が公人ではなく私人として参拝していると認めていることを意味するのではないでしょうか?つまり任期を終えようとする小泉首相個人を批判することが中国などにとってはもうメリットではない、と私は解釈しています。中国なども小泉首相という「私人」を批判することで日本を批判していたわけです。

最後にひとつだけ、はっきりしていることがあります。首相参拝は(彼が公私どちらの立場をとろうとも)アジア各国から批判を受けていることは事実であり、彼を選んだのは間接的であれども我々国民なのです。昨年の衆院選の結果が、昨日現れたというわけですね。

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…などと書きましたけど、私自身は昨日は仕事が忙しく、終戦の日を思う暇もなく、午前様で帰宅(だれだ、重要書類の締め切りをお盆ど真ん中にしたのは!)。今朝ニュースをみて、戦後61年に対し、ちょっと反省…


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コメント 12

ちゃめ

 冷や水を掛けるようで申し訳ないが…
>首相参拝はアジア各国から批判を受けていることは事実であり、
 トルコは非難してたっけ?
 イランやインド、パキスタンも非難してた?
 スリランカは?
 バングラディシュは?
 タジキスタンやトルクメニスタンは?
 タイやミャンマーは?
 アジアと言った場合、色んな定義があるけど、ボスポラス海峡から東のユーラシア大陸諸国および島嶼国を指すよね。
 靖国問題だけじゃなく、何やかやと騒いでいるのは中・韓の二国だと思うけどなぁ。
 この場合、「東アジア」という方が正解だね。
 産経ではこんな記事が有ったよ。
>靖国参拝「軍国主義とは無関係」 仏紙、客観的に報道
> 16日付の仏主要紙ルモンドは15日の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に関し、「北京とソウルへの挑戦」と指摘。中国、韓国が反対するなかでの参拝は両国の圧力に屈しない外交姿勢の表れとのとらえ方を示した。
http://www.sankei.co.jp/news/060816/kok074.htm
by ちゃめ (2006-08-16 22:14) 

いとまっち

東京裁判の場所を見学したことがあります。
映画のイメージと違い、意外と小さなホールでした。カーテン以外はすべて当時のままとのこと。
勝った国の人たちが負けた国の人たちを裁くということは、東京裁判でなくても一考されるべきことのような気がします。

それと靖国が「戦死した英霊たちのシンボル」といいますが、戊辰戦争の時の佐幕派(賊軍)は祀られていません。その辺も曖昧だなあと思います。

祀り上げられるのは勝手だけど、寺の息子やクリスチャンの戦死者は遺族もいい思いを抱いてないし、A級戦犯のおかげで戦争で死ぬ羽目になった、と思っている遺族の方もいい思いではないようです。

明治以来の「国家神道」という新しい宗教は何もかも曖昧な存在のような気がします。
by いとまっち (2006-08-17 00:57) 

MANTA

- ちゃめさんのご指摘のとおりです。失礼しました。アジア各国、ではなくアジアのいくつかの国、とさせて頂きます。ちなみにロシアは今回の件に対し批判的なコメントを出していますね。

ご遺族の意思に反して勝手に祀られているケースもあるでしょうね > いとまっちさん
靖国は靖国として(一宗教法人ですから勝手にやってもらうことにして)、やはりちゃんと戦没者を追悼できる場所を国として作り、日本武道館ではなくそこで追悼式をやるべきだと私は思っています。
by MANTA (2006-08-17 08:55) 

ちゃめ

 ちょっと厳しい指摘をしましたが、「アジア」と書く場合と、「東アジア」と書く場合では、読み手が受ける印象が相当に違います。
 何気なく「アジア各国」と書いてしまうのは、日本国民の潜在意識に「我々は悪者で、アジア各国から非難を受けている」という考えが刷り込まれているからでしょう。
 それを刷り込んだのは一体誰なのか?
 少し考えてみると面白いかもしれません。

 靖国問題が何故今、これほど盛り上がっているのか?を考えても、新しい事が見えてくるでしょう。
 靖国問題は政治カードとして使われ始め、それが今のところ、そのカードを切った側に非常に有効に働いているようです。
 靖国問題で大騒ぎする事は、カードを切った側の術中に、日本国民も、諸外国政府も嵌っている、とも取れますね。

 勿論、靖国問題の背後には、日本国民が考えなければならない問題が大量に控えています。
 これらの問題を考え、然るべき行動を起こす事により、漸く日本は「戦後」を脱する事ができるでしょう。
 中国政府、韓国政府は、日本がどんな態度をとっても、声高に責め続けるでしょうが、それが彼らの言いがかりに過ぎない事を、日本は今後の行動と結果で、世界に示してゆく必要があるでしょうね。
追記:
 靖国に変わる施設が良いという意見のようですが、戦死者の遺族はどう思うでしょうか?
 靖国を是とすると、戦没者(つまり一般市民の犠牲者)の扱いも考える必要が出てきますね。
 靖国には戦没者は祭れないでしょうから、別の施設?
 千鳥が淵ってどうなの?
 ややこしい問題のようですね。
by ちゃめ (2006-08-17 10:48) 

MANTA

「アジア各国」に対するご指摘、ズキッときました。> ちゃめさん
そのとおりで、私自身、アジアのことを知らないのです。私だけでなく、日本人は戦後、アメリカを向きすぎている(向かされている)のです。中国・インドの経済成長いちじるしい昨今、戦争だけではなくさまざまな面で今のアジアにもっと目を向けないとだめですね。

靖国に代わる施設というよりも、国として過去の戦争に対する反省と哀悼を公に表す施設を作るべき、と考えています。靖国は靖国でおやりになればいい(止める権利は誰にもない)、そう考えています。
by MANTA (2006-08-17 23:30) 

やれやれ

向かされている?
誰に向かされているのですか?
無自覚なのは他人の所為ですか?
そもそも、反省とは誰に対する反省ですか?

きちんと定義してくださいな。
by やれやれ (2006-08-18 09:01) 

MANTA

- 日本のアメリカ志向が強いのはなぜでしょうね?>やれやれさん
日本は太古より東アジアとともに歩んできました。それが戦後は東アジアをほとんど見ていないように思います。不自然な思いがありますし、理由の憶測は可能ですが、書くまでには思考がいたりません。すみません。
アジアに対して無自覚なのは私のせいです。反省とは、戦争で亡くなった人への反省です。
by MANTA (2006-08-18 12:58) 

miho-rin

この記事と コメントを読ませて頂いて 
知らないことばかりで 恥ずかしいです 
でも こういう問題提起して下さると 
私みたいなものでも そうなんだ!と 
そこから入ることはできると思うんです
少しずつでも 勉強していきたい問題ですね
ありがとうございました
by miho-rin (2006-08-19 11:50) 

MANTA

- いえいえ、もうすこしいろいろ書きたいのですが、私の認識ではこのあたりが限界です。改めて読むと、議論したい点もまとまってませんね。またの機会に形をかえて問題提起してみたいとおもいます。
by MANTA (2006-08-21 19:00) 

ちゃめ

 ちょっと厳しいツッコミを書きすぎましたね。
 ご容赦。
 この問題は真剣に考える必要がある問題ですね。
 ブロゴスフィアでも活発な議論が交わされて然るべき、なのですが、人間は感情の動物ですので、なかなか理性的な議論は困難な様子ですね。

 歴史も社会科学の一つの筈ですが、理学や工学と異なり、「絶対に正しい歴史」という物が存在しない点が厄介でしょうか。
 勝者による「歴史の歪曲」なんてのは、人間の歴史が始まって以来のことですし、自らと異なる歴史認識を「歴史の歪曲」として非難するのも、今に始まった事ではないですね。
 例えば…、
 カンボジアが、クメール・ルージュ(ポルポト派)による虐殺(国民の1/3が殺された!)の被害者を、土の中から掘り返して、「旧日本軍の犠牲者だ」とか、「米軍による虐殺の証拠だ」と主張したら、世界は一体どう思うでしょうか?
 これと同じような事をやっている、と疑われている国が、東アジアにあります。
 EUは存在できても、東アジア共同体が絵空事でしかない理由は、日本を含む東アジア諸国が、社会という人格が成熟していないことに、あるのかも知れません。
 なーんて、偉そうな事を書いてみました。
by ちゃめ (2006-08-26 19:05) 

MANTA

- いえいえそんなことはありませんよ > ちゃめさん
記事を書くときはある程度裏も取りながら、また文言も練りながら書くのですが、コメントのほうまでは手が回らず、きびしいつっこみにアワアワしておりますが、それもまた勉強になりますよ。

靖国問題でいつも気になるのは、この問題の本質<政府は先の戦争を国内外にどう位置づけるのか?>を議論せず、現在の諸問題<対アジア外交、戦後補償、政権、自衛隊、改憲など>のほうが大きく議論されることです。ちゃめさんの上記のコメントは「勝者による歴史の歪曲」があるのだから、日本は日本の歴史観をしっかりもて、ということでしょうか?
だとすれば賛成です。日本政府は「日本の考える歴史」(他国に批判されてるものであったとしても)をちゃんと示すべきだと考えます。それをせずに、「首相の靖国参拝」という首相個人なのか政府の意思なのかわからない提示方法は得策ではない、といいたいのです。
by MANTA (2006-08-28 06:58) 

ちゃめ

>ちゃめさんの上記のコメントは「勝者による歴史の歪曲」があるのだから、日本は日本の歴史観をしっかりもて、ということでしょうか?

 仰るとおりです。
 政府が歴史観をはっきり示すのは、とても大切ですね。
 それをしないから、他国のいいように国際政治に利用されているとも言えますね。
 同時に、国民一人一人が、もっと戦前、戦中、戦後の歴史を知る必要があると、思っています。
 だって、学校でもまともに習いませんからね。
 ビジネスや政治、国際理解に非常に深く関わってくる部分なのに…。

>それをせずに、「首相の靖国参拝」という首相個人なのか政府の意思なのかわからない提示方法は得策ではない、といいたいのです。

 なる程、Mantaさんの趣旨、良く理解しました。
 詳しいご説明、有難うございます。

>わからない提示方法
 この日本人特有の感性が、日本の戦後処理をややこしくしている根本原因でしょうね。
by ちゃめ (2006-08-29 21:14) 

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