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日本沈没 回答編7(おわり) [ 連載 Old..]

コメントへの回答のつづき、やっと完結です。
そういえば、日本沈没、韓国でも公開されるそうですね。外国での反応はどうなんでしょうね?
http://ameblo.jp/k-singer/entry-10016256648.html

Q.JAMSTECが協力してるからには、ある程度は(←ここがポイント?)、科学的に正しいんですよね?

空間か時間か、どちらかのスケールがおかしいだけで大体あっているとおもいます。

<時間スケールが正しい沈没の例>
日本全部を1年という短期間で沈めるのは無理ですが、ある狭い地域だけを沈めるのはもっと短時間で可能です。断層運動による地殻変動(数m)や津波(短期間ですが数十mにおよぶ)に地球温暖化による海面上昇が加われば、平野の大都市は一部は大地震とともに沈みます。
現に南海地震の際、高知市は地震による平野部の沈降と津波のため、街から水が引くのに1ヶ月かかったそうです。
●高知地方気象台ホームページ
http://www.osaka-jma.go.jp/kochi/jisin/jishin.htm

<空間スケールが正しい沈没の例>
何百万年という時間さえかければ、日本列島のある地域、場合によっては列島そのものを沈めることは可能でしょう。例えば、青森県八戸沖の太平洋の海底。ちょうどいま地球深部探査船「ちきゅう」が掘削中の場所ですが、1980年、ほかの船による掘削調査の結果、この地下から浅い海でできた堆積岩がでてきました。また地震波による地下構造調査によれば、地下に不整合面があるようにみえます。これらから、東北沖の海底はかつて陸地であったのですが、その後沈没したと考えられています。
●詳しくは東大ホームページへ
 http://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/jp/guidance/solid/miura2.html

次に日本海に目を移しましょう。ここには「沈んでしまった日本」があります。
かつて、日本列島はユーラシア大陸とくっついていました。大陸の一部が引き剥がされて今の日本列島ができたのです。詳しい様子はこちら
●詳しくは糸魚川博物館ホームページへ
 http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/detail-menu/096detail-split/25ma.html
 割れる→開く→沈む→ …とたどっていってみてください。日本列島ができあがっていきます。
 アニメーションもあればいいのにね。
日本海は”開く→沈む”のあたりでできました。
さて日本海の真ん中には「大和堆」という水深の浅いところがあることをご存知でしょうか?
●こちらの図をご覧ください
 http://www.apsaras.co.jp/shimane/naiyo/honkai01.html
この大和堆は、地震波の調査などによれば、周りの海底とは地質構造が違います。どうやら日本海ができるときに取り残された大陸のカケラのようです。つまり日本列島になれず、大陸にも残れず、日本海に沈んでしまった陸地なわけです。

日本のずっと南に目を移すと、もっと大きな「沈んだ陸地」があります。"九州パラオ海嶺"という呼ばれる長さ3000kmの海底山脈はかつては陸地だったのに、いまは沈んでしまったようです。
●詳しくはChunichi Web Pressのページ”『日本沈没』の確度”をご覧ください。
 http://www.tokyo-np.co.jp/00/sci/20060815/ftu_____sci_____000.shtml
まさしく「日本沈没」です。

Q.監修は、東大地震研ですか?科学者として、こういうの相談されるのイヤだと思うなー。おかしいと知りつつ、フィクションだし・・・どこまで許容するか難しいですよねー

JAMSTECも監修していますよ(詳しくはこちらの記事)。
監修された方はどう思われているか分かりませんが、おそらくイヤではないんじゃないでしょうか?
だって、自分がやっている科学がフィクションとはいえ、映像になるんですよ。しかも監修されている先生方は、年代的には前作の「日本沈没」をみて、その後の地球惑星科学の進歩をリードしてきた方々ですから、今作にはそれ相応の思い入れがあったようですよ(TVのドキュメントでもそう答えておられました)

私もこんなに長々と、映画のあら捜しを個人ブログでするとは思っても見なかったですけど、フィクションとはいえ普段から興味があって立ち向かっている地球のことですから、楽しく突っ込みをいれさせていただきました。記事書くのに多少勉強しましたし、皆さんからのコメントも勉強になりました。

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ということで、ダラダラつづけたシリーズ「日本沈没」も今回で終わりにしたいと思います。まだまだ解けないナゾ(例えば"日本沈没 瞬間移動")なんかもありますけど、このあたりでお開きにしたいとおもいます。お付き合いいただきましてありがとうございました。

次週より、新シリーズが始まります。
船からの実況です。おたのしみに。

※ここまでの記事をよむにはサイドバーの「カテゴリーの紹介」をご覧下さい。
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コメント 7

ちゃめ

 "九州パラオ海嶺"って、沖ノ鳥島がある海嶺だよね?
 あの海嶺、昔は島だったんですか?

 地質はなんだろうね?
 しかし、何でフィリピン海プレートって、南北に走る海嶺が目立つの?
(注:小笠原の島孤の西にも、同じセンスで伸びる海嶺があるように見える、硫黄島とかが所属するヤツ)
 ひょっとして、この海嶺の成因は、プレートに掛かる圧縮応力のせい?それとも海底火山の列?その両方?

 いやー、また「素朴な疑問」を提出してしまった(笑)。
by ちゃめ (2006-09-08 08:48) 

MANTA

- 九州パラオ海嶺は元々はふるーい島弧、つまり小笠原諸島と同じような「島々」でした。2600万年前の話です。その後、いろいろあって海に沈みました。どういろいろあったかって?
それはこちらの図4をご覧ください。
http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/kouhou/10/p8_9.html
このようにフィリピン海そのものも日本海と同じように「開いてできた」海なのです。南北方向に海底の高まり(海嶺)が見えるのもそのためです。
九州パラオ海嶺もはじめはいまの小笠原諸島とくっついていて「島々」をなしていたのでしょう。それが九州パラオ海嶺の「東側」で海が開いていったので、小笠原諸島と分断されて海に沈んでしまいました。

より詳しい資料はこちら
http://www.numo.or.jp/siryou/gijyutsu/index_tr0402.html
「日本列島周辺のプレート運動の状況」を参照ください。
図、ないっす。
by MANTA (2006-09-08 12:28) 

ちゃめ

 おおーっ、なる程。
 そういう訳だったのですか。
 助かります。
 現在構想中の作品の舞台が、"九州パラオ海嶺"上に位置する架空の島なのですが、地質的な設定をどうしようかと少し悩んでいたところなのです。
 まぁ、そこまで拘って設定する事もないのですが…。
 "九州パラオ海嶺"上に設定したのは、ストーリーの必然からですが、幾らなんでも何の根拠も無いところは、ちょっとまずいかな?と思った次第です。
by ちゃめ (2006-09-08 16:16) 

MANTA

- お、おもしろそうですね > ちゃめさん
完成したらまたぜひお知らせください!当ブログでも宣伝いたします。
by MANTA (2006-09-09 13:34) 

ちゃめ

 Manta さん、有難うございます。
 科学的考証の方は???なのですが…(苦笑)。
 科学者が出てくるので、ちょっと教えて欲しいかも?というところですね。
by ちゃめ (2006-09-10 13:19) 

LH2

MANTAさん、本当にお久しぶりです。(というかここまでくるともう「はじめまして」(笑))

1年位前に宇宙ネタなどでコメントさせていただいたLH2です。
当時はただの宇宙オタクでしたが、今年からロケットの研究に配属されました。

ここのところは、ごくたまに拝見させていただいていたのですが、この前「日本沈没」が放送されたので、「日本沈没の記事をもう一度読もう」ということで再び戻ってきました。JAMSTECの研究者の方と直接Blogでコミュニケーションができるなんて、本当にすばらしいなあと改めて感動です。

映画はなかなか突っ込みどころが多そうですが、しんかい6500と2000のCGは本当に良くできていてすごかったです。
それにしても田所博士の権限はすごいですね(笑)


映画で世界中の掘削船を集めた、といっていたので、JAMSTECの「ちきゅう」以外にどんな掘削船を集めたのか気になって、プレート破断シーンでモニターに写っている掘削船名を拾い上げてみました。
(掘削船というと、「ちきゅう」と「Glomar Challenger」しか知らなかったので・・・)
C3 Discoverer World Sea
C4 JOIDES Resolution
C5 Noble Lion Segerius
C6 Kouyoukou
D5 KAIRYU No5

JOIDES ResolutionはアメリカOcean Drilling Programの掘削船
Noble "Leo" SegeriusはNoble Corpの掘削船
http://www.noblecorp.com/Fleet/RigDetail.asp?RigAbbrev_CH=NLS
KAIRYUならぬ「白竜」は日本海洋掘削株式会社の掘削リグ
http://www.jdc.co.jp/japan/rigfleetprofile.html
のようです。

このように、民間企業の掘削船では名前を変えてあるようです。
中国の「Kouyoukou」は良くわからないのですが・・・。
by LH2 (2008-04-28 00:21) 

MANTA

>1年位前に宇宙ネタなどでコメントさせていただいたLH2です。
LH2さん、お久しぶりです。スペースシャトルのお話でコメントを頂きましたね。
時間が経ってもこうしてまたお越し頂けるのはありがたいです!

>それにしても田所博士の権限はすごいですね(笑)
ですね~ うらやましい(?)です。

映画の中の掘削船名には気が回りませんでした。ここまでリアリティーを
求めるとは、樋口監督は凄いですね。そのほんの少しでも、原作のテーマを
追い求めてくれたら、、(以下略)

C4のJOIDES Resolutionは有名な船ですね。日本にも何度も来ています。
私も中を見学したことがありますよ~
C3は「Discoverer Enterprise」というアメリカの掘削船が元のようですね。
C6は調べましたが分かりませんでした… 日本の幸陽船渠というメーカ名が
近いのですが、、、
きっと、監督に資料を渡した人が身近にいるに違いない!誰だろう?
by MANTA (2008-05-06 17:47) 

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