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巨大地震とゆっくり地震 [ 電磁気で地震予知]

※連載【電磁気で地震予知】のプロローグです。

先日、ゆっくり地震の発見は巨大地震の予測に重要だ、という内容の記事を書きました。
なぜでしょう?ここでは簡単に解説してみましょう。あくまで仮説なので異論もあるかも
しれませんが、概念の一つとしてご理解ください。

皆さんは「砂山崩し」をご存知でしょうか?この遊びの正確な名前はよく分かりませんが、
ルールはシンプルです。砂山に旗や棒を立てて、数人で交代しながら砂山から砂を取って
いって、旗を倒した人が負けというゲームです。
「巨大地震」はこの砂山崩しゲームによく似ています。

   海とか行くとやりますよね、これ。

海側と陸側のプレート境界(断層)の周辺にひずみがたまっていけば、あるときに断層は
いっきにすべり、ひずみを開放します。これが巨大地震です。巨大地震の発生は、「砂山
崩し」でいえば旗が倒れることに相当します。

最近の研究結果では、巨大地震はどこでも起きるわけではなく、起きる場所が決まってい
るようです。その場所は「アスペリティ」とよばれたり、「プレート境界固着域」とよばれています。
つまり「砂山」は時間に伴ってあっちでできたり、こっちでできたりはせず、東海沖に1つ、
三重県沖に1つ、というように場所は大体決まっているようです。

さてプレート境界では、日常的に小さな地震が起きています。一昨日も関東地方ではマグ
ニチュード(M)4くらいの地震がありましたよね。こういうM3~5程度の小地震がいくらお
きても、巨大地震には太刀打ちできません。例えばM4の小地震が100万回(!)おきて、やっ
とM8の巨大地震と同程度のひずみを開放します(Mが1つ違うとエネルギーは約30倍違うの
です)。小さな地震とは、砂山で例えれば砂粒がパラッとくずれた程度のもの。砂山の端が
いくら崩れても旗はびくともしません。いままではこの小地震の起き方から、巨大地震発生を
予測しようとしていました。

次にゆっくり地震について考えましょう。ゆっくり地震は、地面の揺れはジワーっと遅い
ですがマグニチュードは大きいです。まるで、砂山から手でユックリゴッソリと砂を持っ
ていくのに似ていますね。


     これはたまらん。

砂山の例で行けば、これを何回か繰り返すと旗が倒れます。もうお分かりですね。ゆっく
り地震の発生は、確実に巨大地震を発生しやすくしているのです。

ただ「砂山崩し」で皆さんも経験があると思いますが、旗がいつ倒れるかはなかなか分か
りません。グラグラになった旗は砂粒がちょっと崩れるだけでも倒れるかもしれない=小地震
が起きるだけでも巨大地震につながるかもしれません。一方で砂山から手でユックリ
ゴッソリと砂を持っていく途中で旗が倒れてしまうこともあるでしょう=ゆっくり地震が
途中から巨大地震になるという人もいます。旗が倒れる瞬間=巨大地震がおきる最
後の瞬間を予測するのはなかなか難しいでしょう。当面はゆっくり地震の発生をモニターして
おいて、それに基づいた「巨大地震発生確率」を週ごとや月ごとに出せるように研究を進める
といったところでしょう。気圧変化などから降水確率をはじき出すのに似てます。

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研究者が「ゆっくり地震」にかける期待は、1) いままで観測されていなかった、2) マグニ
チュードが大きい、という2つから来ています。「砂山崩し」ほどに地震発生は単純では
ありませんが、今回のゆっくり地震の発見が、巨大地震予測の手がかりになることを
私も期待したいです。

おまけ:
ジェンガは砂山崩しに似てるね。

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Murano-Brain

この前お邪魔した時に「長周期地震」とコメントしましたが,それは
地震の周期が長い(3秒以上)のもので
苫小牧の石油タンクがスロッシングにより浮き屋根から油が漏れて
火災になった原因の地震周期のことです.
MANTAさんが解説されている,ゆっくり地震
これもかなり不気味で怖いですね
by Murano-Brain (2006-12-11 19:24) 

MANTA

- おお、真に「長周期」でしたか、失礼しました。 > Murano-Brainさん
対策、といっても既存の構造物に対しては対処しづらいですね。建物の揺れやすい周期(固有周期)を分散させてやるくらいでしょうか?地盤の揺れの特性を調べておくこともどんな対策が効果的か考える際に必要そうですね。

ゆっくり地震そのものは怖くないですよ。むしろ地球の鼓動を我々に伝えてくれるメッセンジャーになってくれるかも知れません。自然科学が進むにつれて、「惑星地球」がただの石の塊ではないことがどんどん分かってきている、そんな感じです。
by MANTA (2006-12-12 12:27) 

ノノコ

素人が生意気言ってすみません。
巨大地震が起きた時、渦巻きが出来ていましたし、引き潮が強くてその後巨大津波が来たようです。
砂が砕けるだけなら、どちらも起きないと思いますが、、、。
巨大なガス状の彗星が突っ込んだという情報はどう思われますか?
それが書かれているのが紹介のHPです。
ソラの検索で引くとその説明が出てきます。
by ノノコ (2007-02-10 20:41) 

MANTA

ノノコさん、コメントありがとうございます。
>砂が砕けるだけなら、どちらも起きないと思いますが、、、
おっしゃる意味がよくわからないのですが、上は例えです。
砂が地震を起こすわけではありません。ガス状の彗星のお話も
よく分かりませんが、流れ星と地震に関係があるという話は
聞いたことはありません。
by MANTA (2007-02-16 12:54) 

ノノコ

>「惑星地球」がただの石の塊ではないことがどんどん分かってきている、そんな感じです。

全く同感です。
ところで地震と雲の関係はどう思われますか?
紹介しましたサイトは、地震の前にあらわれた雲が1000枚も寄せられています。
それと最近,震源地は全くゆれないで、震源地から遠く離れた所だけがゆれるのや、震源がごく浅とかいうのがありますが、それはどのように思われますか?
by ノノコ (2007-02-23 19:35) 

MANTA

- 写真拝見しました。 > ノノコさん
私は頭から「地震と雲は関係ない」とは考えていません。その理由は長くなりますから、後日の連載「電気と地震予知」をお読みください(かなーり先になりますけど)。

地震雲、といっても雲の形だけで判断するのは難しいそうです。
一方で「地震雲は気象状態によらず、常にある場所に出続ける雲だ」と
いう意見をみたことがあります。これですと、他の雲と見分けがつきますね。
ですから変な雲がでた時に、それを数日間観察し続ければ普通の雲との
違いがわかるかもしれませんね。
by MANTA (2007-02-24 13:07) 

MANTA

> 最近,震源地は全くゆれないで、震源地から遠く離れた所だけがゆれる

これは「異常震域」といいます。こちらで詳しく解説されています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/publications/NAIFURU/vol19/v19p6.html
仮説ではありますが、傾向としては正しいです。

ごく浅い地震は、、、ごく浅いのでしょう。
by MANTA (2007-02-24 13:12) 

honyapin-turedure

あちゃー(><) 今日の今日まで大きな勘違いしてました。地震は、溜まったひずみに反発するもので、一度大きいのが起こったら ひずみが解消され次が来るまでなかな来ないものだと思っていました。(もしそんなものなら予測はかなり容易よね)
反発・・・だけじゃないんですね。

中学だったかなー、わかりやすく言えばってことでそう教わったんです。ははは、先生のせいにしちゃった(^^;)
by honyapin-turedure (2007-02-25 15:58) 

MANTA

- 溜まったひずみを地震で解消する、という考えはあっています。
ただし最近の調査結果によれば、普通の大きな地震で全部解消する
のではなく、地震と「ゆっくり地震」の両方で解消しているようなのです。
ですので「ゆっくり地震」に注目が集まっています。
ちなみに小さな地震はいくら起きても、大きな地震やゆっくり地震には
かないません。
by MANTA (2007-02-25 16:48) 

竜

既にMANTAさんが紹介されていたかもしれませんが、「ゆっくり地震」については京大の川崎さんによる"スロー地震とは何か—巨大地震予知の可能性を探る(リンク先参照)"が一般向けでわかりやすいと思います。
by (2007-02-26 01:12) 

MANTA

- コメントありがとございます > 竜さん
私もよみました。いい本ですね。温存ネタのひとつ(?)として、
ネタ帳に蓄えております。また紹介しましょう!
by MANTA (2007-02-26 07:14) 

MANTA

- ひとつ書き忘れてました。
そもそも普通の地震だけでは、海と陸のプレートの相対速度から予測され
る地殻の歪みを全部解消できないらしいことは昔から知られていました。
なので、プレート境界で”地震を起こさないゆっくりとしたすべり”がある
のだろうと考えられてはいました。どうやら最近見つかった「ゆっくり地震」
などが残された地殻の歪みの解消を担当しているようです。そう思えば、
「ゆっくり地震」は天文学でいう「ダークマター」のようなものですね。
by MANTA (2007-08-15 23:28) 

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