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深海へ潜る(8) [ 海底鉱山]





前回の続きです。しんかい6500は海底へたどり着きました。
水深1000mの世界までわずか30分足らず。特にスクリューなどを回すこともなく
自分の重さだけで静かに落ちていきます。海底に近づくと、おもりをひとつ
切り落として、しんかい6500全体の浮力を調整します。
(中性浮力を保つ、と言います)
こうすれば深海で上下左右前後に自由に動き回れます。

そのためには、しんかい6500に取り付けるすべての機器の空中重量と水中重量を
測らねばなりません。小さい観測センサーまで測定するので、一緒に船に乗って
いるドイツの研究者は驚いて私にこう言いました。
「潜る前日に食べ過ぎたらダメね。太って体重が変わっちゃうから!」
そう、しんかい内部に乗り込む人間の体重も、事前に測定されるのです。
(女性ももちろん)

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さて今回のターゲットは、海底熱水地域です。陸上の火山地帯と同じように、
海底でも温泉が湧いてます。これを「熱水」と呼んでいます。この熱水地域には
他の普通の海底ではみられない生き物もたくさんいます。たとえば写真1枚目。
奥の方に白っぽい点が見えますが、これは全部カニもしくはエビです。
熱水地域に特有の種類です。

写真2枚目には、その熱水も写っています。真中付近のぼやけたところが、
海底から噴き出している熱水です。色が透明なので温度は低めでしょう。
といっても100度くらいだったりします。これが200度、300度となると、
熱水の色は黒っぽくなってきます。地下の岩石の一部が高温の熱水に溶けて
いるので黒っぽいのです。熱水の周りにはやはり白っぽい生物。
彼らは「ゴエモンコシオリエビ」のようです。
名前の由来は、石川五右衛門。お湯にちなんで、ということのようです。
石川五右衛門はお湯というよりも釜茹でなのですが、ゴエモンコシオリエビは
釜茹でではなく生きています。その回りにいる茶色い貝は「シンカイヒバリガイ」
といって、やはり熱水特有の種類です。写真右側には大きめのカニも写っていま
すね。彼らは普通のズワイガニのように見えるのですが、色は白っぽく、
異なる種類なのかもしれません(生物学者ではないので良くわからない)。

写真3枚目は、パイロット(操縦士)の方と、コパイロット(副操縦士)の方。
お二人が顔を押し付けているのが、しんかいの観察窓。左舷・中央・右舷の3つ
があり、中央と右舷から海底を覗いています。
ここは非常に起伏の激しい場所なのです。というのも海底から吹き出した熱水が
冷たい海水に出会うと、熱水中の岩石成分が急速に沈殿を初めて、その結果(信
じがたいかもしれませんが)高さ10mを越える岩石の柱が出来上がったりします。
柱の上からは、黒い熱水がまだ出続けている場合があります。まるで煙突です。
その姿から、熱水地域の岩石の柱は「チムニー」と呼ばれています。また柱にな
らず、山っぽくなることもあります。この場合は「マウンド」と呼ばれます。熱
水地域にはこのような起伏があちこちにあるので、注意深い操船が必要です。

とはいえ深海の旅は長い。お昼ごはんも必要です。
写真4枚目はしんかい名物「サンドイッチ」。ツナ&たまごサンドが3つ。
そしてジャムサンドが1つ。ジャムサンドはかならず入っているそうな。
ちなみに、おにぎりバージョンもあるそうです。
まさか1つはジャムおにぎりだったりして。

ちなみにパイロット、コパイロットの方々は、ほとんど食事をされませんでした。
私一人むしゃむしゃと食べてしまった。船内に漂うサンドイッチの匂い。
…ごちそうさまです。

つづく。

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