So-net無料ブログ作成
検索選択

「宇宙資源」という名の投資勧誘 [▼連載【資源エネルギーを考える】]

石油資源だけでなく、金属資源も枯渇が心配されています。そうなると
アイデアに過ぎなかった計画も、具体化してニュースになったりします。

SFでは、小惑星を資源として利用したり、さらにその跡地を宇宙基地にして
戦ったりしていますね。いよいよ現実になるのでしょうか?

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編  [DVD]

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD






機動戦士ガンダムUC [MOBILE SUIT GUNDAM UC] 6 (初回限定版) [Blu-ray]

機動戦士ガンダムUC [MOBILE SUIT GUNDAM UC] 6 (初回限定版) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: Blu-ray


しかしですね、そりゃぁ、無理という話です。
だって金属鉱床ができるのには「水」が大事な働きをしてますから。
重力の小さな小惑星には水はありませんし、かつてもなかったでしょう(※)。

●鉱床の成り立ちは?(JOGMEC>資源情報館>金属に関するQ&A)
 http://www.jogmec.go.jp/recommend_library/qa_metal/index.html#07
 (以下引用)”鉱床の生成に水はなくてはならないものです”

水は地下の微量な金属鉱物をかき集めて、沈殿や結晶化させて、鉱床を作ります。
この資源を集めるプロセスは「濃集」と呼ばれています。濃集によって資源の濃い
部分(=鉱床)ができていれば、そこだけを切り取って利用できて現実的です。
逆に濃集がないと、資源の「密度」が低すぎて使えません。

もちろん濃集がなくても、小惑星にはある程度の量の金属資源が薄く含まれて
いるでしょう。でも大きな小惑星をまるごと運搬し、全部溶かすことを考えてみて
ください。相当なエネルギーが必要なので、おそらく採算は取れないでしょう。

参考:「はやぶさ」が訪れたチッチャナ小惑星でもこれくらいの大きさ。
キャプチャ.JPG
 「Google Earthでイトカワを」より
 http://blogs.dion.ne.jp/akkyan/archives/5564598.html

もしかしたら、地球上とは違うメカニズムで、小惑星では金属資源の濃集が
起きているかもしれません。まずは科学的調査が先決でしょう。でも米国が
誇るNASAを差し置いてまでして、民間企業が小惑星調査に乗り出す理由とは?

…たぶん、投資目的だと思います。資源関係では多いんですよ。
で、実際には小惑星の開発などしません(正しく言えば”なかなか”やりません)。
具体的事例はいくつかありますが、それはまた今度ご紹介しましょう。

----
今回ニュースになった、Deep Space Industriesの計画が、Youtubeで公開されて
いますね。こういうのを見ると、宇宙世紀!って感じで興奮します。これをみて
実現性が高い計画だと思うか、「用意が良い」と考えるかはあなた次第です。



※一部の金属資源はマグマの中で形成されます。小惑星は形成時には溶融状態
 なので、金属資源の濃集はなかったとは言い切れません。ただしマグマ中では
 金属鉱物の沈殿が必要です。重力が小さい小惑星では沈殿はやはり無理でしょう。
 なお小惑星と同じ事が月についても言えます(水がない、重力が小さいので沈殿
 しない、沈殿したとしても地殻変動がなければ地表まで出てこない)

nice!(5)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 5

コメント 4

Working Dad Oversea

大昔に習った鉄隕石とかニッケル隕石とかは小惑星のサイズでは身近には存在しないわけね。
と無責任な質問をバングラデシュからしてみよう。
by Working Dad Oversea (2013-01-25 00:56) 

MANTA

おお、鉄隕石ね!あれは元々、原始惑星などの中心核(コア)だったもの。
(その後、原始惑星がバラバラになって鉄隕石として漂っていた)
成分は鉄にニッケル、金や白金もそれなりに含みます。
太陽系形成当初に原始惑星内で沈殿して濃集されていたわけですね。
現在の小惑星のうちM型は鉄隕石と同様に金属主体と考えられています。
なるほどこれなら資源になるかも?

しかもNASAや日本は(より数の多い)C型やS型の小惑星探査を進めて
いるので、M型を探査しようという民間企業がいても自然の流れ。

とはいえ、小惑星の資源をを開発する技術はもちろん、M型小惑星のサンプル
を持って帰るだけでも技術的には相当ハードルが高いでしょう。
日本人ならば(普通に考えれば)国の探査結果を待つでしょう。
「資金さえあれば僕達でやれるよ!」という文化、色んな意味で米国ですね。
by MANTA (2013-01-25 08:28) 

モル

地球上で金属資源が貴重なのは地球誕生時にあらかた中心部に
沈み込んでしまったのが原因なわけで…
少なくとも金属元素に関しては惑星と違い重力が小さく内部が分化して
いないためにかなりの高濃度で存在していることが期待されてるようです。 ただ深海から持ってくる以上にコストがかかるのでまずは白金族
などの非常に高価か採算が取れそうなものを地球近傍に近づく小惑星
から取り出してようというのがアメリカのベンチャー企業の考えるところ
なのでしょう。

by モル (2015-01-22 03:41) 

MANTA

モルさん、コメントありがとうございます。
たしかに地球の表面は軽い物質で満ち溢れており、重い物質(金属)は地球の中心へと落ちてしまっています。無重力状態でできた小惑星であれば、金属もたくさん混じっているはずと思いたいところですが、なかなか難しいようです。

下記が続報です(プラネタリー・リソーシズ社という別の企業ですが)。
●小惑星採掘に暗雲か、投資に見あうだけの成果は得られにくいとの調査結果
 http://gigazine.net/news/20140126-asteroid-mining/
 この時点ではプラネタリー・リソーシズ社は反論していますが…
      ↓
●小惑星資源探査計画どうなった―衛星への燃料補給構想に変更
 http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304155604579548950317572492
 (以下引用)”アンダーソン氏は(中略)技術的な障害と費用面を理由に、
 当初の計画が現実からほど遠い夢に変わったことを認識した。”

アメリカの資源関係のベンチャー企業には、次のようなものも多く見られます。
「お金出してね、私達が一番乗りするから。一番乗りには大きな権益が
 あるから、出してくれたお金も倍返しにするから」
でも本当にできるかどうかは別のお話。

一方で小惑星資源には「夢」はあると思います。
●宇宙資源  東京大学総合研究博物館
 http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2013SpaceResources_description.html

資源開発はゆったりと着実に。それが一番です。
by MANTA (2015-01-24 13:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

メッセージを送る