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地震が教えてくれるもの(1) [ 電磁気で地震予知]

かつてある高校に講演に行った際に、次のような質問を受けました。
「地震は人々に悪影響を与えていますが、地震の美点はないのですか?」
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-07-04

地震は怖い、津波も怖い、なんとかして。予知できないの!?
まあ確かにそうです(私も怖い)。なので、このシリーズ「電磁気で地震予知」では
その最前線や限界、偽情報への注意、などを書いて来ましたが、地震はなにも
悪いことばかりではありません。地震が教えてくれるものもあるのです。
今日はそんなお話。

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およそ1ヶ月前、4月21日(日)の昼下がり、東京で有感の地震が発生しました。

hypo.jpg
※気象庁HPより(水色が震度2)
 http://www.jma.go.jp/jp/quake/20130421122824395-211223.html
 震源地は鳥島近海、震源の深さは約450km、マグニチュードは6.7でした。

さてこの地震が我々に何を教えてくれるのでしょう? 大きく4つも挙げられます。

1) 関東だけが揺れている
図を見ると、関東地方~東北地方南部だけが揺れてます。ところが震源地から
同じくらい離れている関西や九州、東海地方はさほど揺れてません。
これは「異常震域」といって、今回のように伊豆小笠原地方の地下深くで起きると
よく見られる現象です。関東地方、東北地方、伊豆小笠原地方で共通点は?
それは「沈み込んだ太平洋プレート」です。伊豆小笠原の地下深くへ沈み込んだ
太平洋プレートで地震が起きると、同じ太平洋プレート上の地域がよく揺れます。
(プレートは、周りのマントルよりも硬いので、揺れを伝えやすい)
異常震域は以前もコメント欄で話題になりました(下記)。
http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2006-12-11

2) 震源の決定には誤差がつきもの
今回の震源地の鳥島には、地震の観測点がありません。なので、伊豆の島々にある
地震計や、関東平野の地震計、あるいは父島や母島にある地震計などで震源を決めます。
地震の震源を決めるには地震の揺れが地震計に届いた時刻と、地面を地震の波が伝わる
スピードが必要です。仮にスピードのほうを大雑把に決めたとすると、到達時刻から観測点
から地震の震央(震源の地表面の位置)までの距離が分かります(下図)。



ところで、地震波のスピードの見積もりが間違っていたら? 当然震源の位置はズレます。
たとえば関東平野や父島・母島が太平洋プレートの近くにあることは先程述べました。
硬い太平洋プレート内では地震の波のスピードも速めです。これを加味しなければ、東京や
父島・母島では震央までの距離が縮んでしまいます。仮に1割縮んだとすると、震央の位置
は数10kmもズレてしまいます(上の図にマウスのカーソルを当ててみてください)。

震源の深さはもっと決めづらいです。震央とは違って、観測点で震源を挟み込むことが
できないからです。なので、同じく東京や父島・母島と、震源の間の距離(ホントは点線)が
9割に縮むと(カラーの円)、震源は100kmも浅くずれて決まってしまいます。これらは
1割縮んだ場合ですが、伸びた場合は深めにズレます。
map3.jpg

地下の地震のスピードが場所場所で複雑に異なることを加味しながら、震源を決定する
方法もありますが(例:地震波トモグラフィ)、地震が起きた直後の速報には間に合いません。

ですので「鳥島近海で地震」と言っても、鳥島の真下で起きていると思うのは早計です。
一般に、伊豆小笠原方面や、陸から離れた地域で起きる地震の震源決定には大きな
誤差が付きものです。なので「海底地震計」などが発明されているのです。

あと2つは明日、解説しましょう。

海底地震計による地震予知に関する特別研究報告書 (1971年)

海底地震計による地震予知に関する特別研究報告書 (1971年)

  • 作者: 科学技術庁研究調整局
  • 出版社/メーカー: 科学技術庁研究調整局
  • 発売日: 1971/03
  • メディア: -


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