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橋下劇場終焉は大阪経済に原因 [▼科学ニュース New!]

大阪市民の住民投票を経て、橋下劇場があっけなく終わりを告げて二週間。
彼は大阪市民の半数弱の支持を得ておきながら、その期待に答えることはできず
政界を去るようだ。それを惜しむ声は多い。
●都構想反対したのは既得権益者。橋下氏は立派【ホリエモン的常識】
 http://diamond.jp/articles/-/72352
neon-light-363609_640.jpg
写真はpixabayより(cegoh氏撮影)

都構想のアイデアは決して悪くはない。橋下氏の人気も高かったはずだ。
なぜ、どこで、彼は階段を踏み外してしまったのか?
今日は素人なりに、都構想敗北の原因を考えてみる。結論を先に書くと
大阪の景気が"良かった"ので 都構想は頓挫したように思えてくる。

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一般に言われる都構想敗北の理由は次のようであろう。
●大阪都構想の否決は高齢者のせい? 選挙における世代間対立をどうみるか
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150527-00000006-wordleaf-pol
●橋下市長の敗北。政界の勢力図が大きく変わる
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43468
「若者と老人」「南北格差」「女性蔑視、子育て軽視」などが挙げられている。
また冒頭で紹介した記事にある「既得権者」も一因であろう。しかしいずれも
「あれほどあった橋下氏の人気がなぜ下がってしまったか」を説明するには
何かが足りない気がするのは私だけだろうか?

例えば、「大阪の若者は夢を失い、選挙に託す希望もなく、住民投票にも行かない」
これが橋下氏の惨敗の一因のように言われているが、次のようなデータがある。
●景気回復への期待が高い大阪の新入社員(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
 http://www.murc.jp/uploads/2014/05/press_140502_o.pdf

おかしな話である。ならばなぜ、若者はもっと積極的に都構想と大阪の将来に期待を
しなかったのか? 都構想や政治以外の、なにかが彼らの期待を後押ししているのか?
そこで大阪の景気を調べてみた。なるほど、答えらしきものがそこにあった。
keiki1.JPG
こちらは都道府県別の平均賃金の変遷である(単位=千円)。東京の賃金は
大阪・愛知に比べて1割程度高いのが分かる。原資料はこちら。
●賃金構造基本統計調査(厚生労働省)
 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou_a.html

よく見ると平成24年頃の大阪府の落ち込みが激しい。ちょっと表示方法を変えると…
keiki2.JPG
平成19年を1として、その後の賃金変化を描いてみた。大阪府の凋落ぶりがより
ハッキリとみとめられる。平成24年までのわずか5年で、賃金が5%以上も低下して
いる。これは他の都市には見られない特徴だ。

この間の橋下氏の政治的イベントもグラフに追加してみた。橋下市長誕生の頃、大阪の
経済は悪くなる一方だったとみてよいだろう。他都市にはない閉塞感が若い市長を生み
出したと考えられる。その後、大阪の景気はV字回復する(大阪の新入社員が抱く希望
とはこれではないか)。この回復の理由はなにか? 少し調べたがはっきりしない。
おそらく「やまない雨はない」ということか?(落ち込みが激しい=回復も急)
ただ私見ではあるが、このV字回復には橋下市長の手腕はほとんど関係無かった。その
証拠に、出直し市長選や住民投票前の演説では「私は○○をやって大阪を元気にした!」
という具体的な成果は主張されなかった。(もしご存知の方、コメント欄までどうぞ)

一方、大阪経済がどん底の平成24年、橋下氏は何をしていたかというと、石原氏とともに
国政に打って出ている。実際、多数の国会議員が生まれたわけで、一見すると順風満帆で
あるが、大阪府民・市民としては「そんなことよりも、大阪の景気回復を」と感じたので
はないか? やがて大阪経済は復活するが、そこに橋下氏の姿はない。あるのは念仏の
ように「都構想」「都構想」と唱えるばかりで、これまでの成果やこれからの未来を
具体的に示せない政治家がいただけである。しかも「都」構想って! 大阪が東京都を
真似る? そしたら景気が良くなる? そんなことせんでも良くなっとるわい!
(…なんて感じの大阪のおっさんの声が聞こえます)

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住民投票に向けた維新の会の戦略にも疑問符がつく。下記は松井大阪府知事の発言だ。
●橋下徹氏、笑顔で引退表明「大変幸せな7年半、本当に悔いがない」
 http://www.huffingtonpost.jp/2015/05/17/hashimoto-declared-retirement_n_7301820.html
(以下引用)"制度の話と政策の話がごっちゃになって、今回は制度を変えようと
いう話をし続けたが、途中から税金が上がる、水道代が上がる、敬老パスがなくなる
だの、負担が上がるという不安を打ち消すことに苦労しましたね。"

制度の話と政策の話をはじめからセパレートして進めようとした様子が見て取れるが、
そもそもなんのための制度改革か? 地方が、大阪が変わらねば、この国はだめだ、
というような「ふわっとした理念」に住民が夢を託したわけでない。大阪府・大阪市
の行政のムダを徹底的に排除し、その分を(不景気の街)大阪の住民サービスに回して
くれると思うから、大阪の民は橋下氏を押したのではなかったか?

橋下氏は、住民が本当に必要としている事に気づかず、大阪都構想というアイデア自体
に酔いすぎたのだ。よいアイデアだから、これはみんなが賛成するだろう(むしろ賛成
すべき)などという思い込みは、40代・50代の大人がよくやる誤ちだ。もっと別の方法
もあっただろうに。そして彼が府知事・市長を務めた7年間という貴重な時間は無為に
過ぎたのだ(彼にとってではなく、むしろ大阪の民にとって)。

ただ、橋下氏は立派だ。勝負に負けた大人というものは、案外ウジウジとしている。
負けたのに敵の足を引っ張ろうとする権力者は珍しくない。ところが橋下氏は、敵で
あったはずの自民党議員団のアイデアを即座に実行に移そうとしている。ぜひこの
「プランB」で大阪を元気にしてほしい。
●橋下市長:自公幹部と区の権限強化の「総合区」検討で一致
 http://mainichi.jp/select/news/20150520k0000m010078000c.html
おしむらくは、自身の都構想なるアイデアに執着しすぎずに、もっと早く かような
行動に出ていれば、また違った形で改革は成ったように思う。政治家をやめると
言ったあとで、良い政治ができるようになるとはなんとも皮肉な話である。
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MANTA

参考:
●橋下氏、急ぎすぎだ。それが敗因だ “喧嘩”はながーくするものだ
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20131009/254392/

これは2013年の記事だが、今回の都構想敗北と共通するものがある。
  
by MANTA (2015-06-10 18:36) 

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