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続:科学からは程遠い「地震予知」(地震科学探査機構) [ 電磁気で地震予知]

人々に期待される地震の予測、これを次々と的中させる人達がいる。
東大名誉教授の村井俊治氏が顧問を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)
だ。しかし、その予測には科学的な部分「以前」に、すでにおかしなところがある
というお話を前回にした。今回はその続き(完結編)である。

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村井氏は前回紹介したように、4/14の地震(M6.5、最大震度7、この地震により
「熊本地震」が命名された)の直後は、「予測が外れて反省している」という声明を
出しているが、4/16にもっと大きな地震(本震:M7.3)が起き、社会へのインパクトも増すと、
村井氏のつぶやきは一転。「正月に熊本・鹿児島に警戒を呼び掛けていましたが、
4か月半後に熊本地震が起きました」となり、予測ができていたかのように変わってしまった。

 photo1.JPG
 ”Earthquake Evacuation” by Stacey Huggins (CC commons)
 https://www.flickr.com/photos/staceyhuggins/6086349755/
 米国バージニアで起きたM5.8地震後の様子(2011年、ワシントンDC)。
 地震が怖いのは万国共通。

科学は謎への挑戦である。失敗もつきものだ。一度の失敗を揶揄するのは
良くないだろう。また「外れたにしても、惜しかった」という見方もできる。
しかし、村井氏には次のような「前科」がある(2014年長野県北部地震の場合)。

ステージ1:地震予測失敗で、反省の弁
村井俊治 @sh1939murai 11月22日に長野県北部地震(震度6弱)が起きました。九信越飛騨地方あるいは中央山脈地帯に今年の3月ころから要注意、5月から要警戒、最近は要注意を呼びかけていました。しかし栃木県北部地震、茨城県南部地震、御嶽山噴火などでエネルギーが放出したと思い先週は警告からは外していました。 5:23 - 2014年11月26日

    
ステージ2:じつは…
村井俊治 @sh1939murai 長野県北部地震の予測は外したと思っていましたが、多くの方から要警戒や要注意を呼びかけていたのだし、前兆となるデータを示していたのだから予測は外れたわけではないと励まされました。地震予測がいかに難しいか、さらなる研究が必要かを教えられました。全神経を集中して予測研究に取り組みます 11:43 - 2014年11月28日

    
ステージ3:前兆はあった!
村井俊治 @sh1939murai 今日発売の週刊ポストに「MEGA予測が示す次の危険」と題して私が研究している地震予測の関連記事が掲載されます。11月22日に起きた震度6弱の長野県北部地震に関して9月8日号の週刊ポストに今回の地震で被害の大きかった白馬が異常変動点として掲載されていました。前兆があったのです。 6:36 - 2014年12月1日

    
ステージ4:地震予測は次々に的中
※週刊誌に「地震予測を次々に的中」と紹介されるも、村井氏は否定していない模様。
※下記は一例。村井市ではなく、Skullcrusher707さんのTwitterより。
 上記の村井氏のつぶやきも、こちらのTwitterを参考とさせて頂きました。
更に、マスゴミには「長野北部地震(長野県神城断層地震)を的中させた」と発表するなど、この方は妙ちくりんな人格の持ち主で、非常に悪質です。 https://twitter.com/Skullcrusher707/status/720843711555309568


以上から考えると、今回の熊本地震の予測結果も、いつの間にか「的中していた」
ことになっていても不思議ではない。これはなんと評すればよいのか言葉に苦しむが
少なくとも科学的な態度とはかけ離れている。

 photo2.JPG
 CAVE worldwide earthquake data by Idaho National Laboratory
 (CC Commons) https://www.flickr.com/photos/inl/5168211166/
 どこの地域の地震活動でしょうか?(クイズ)

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「一応、前兆を見つけてるんだし、そんなに目くじら立てなくてもエエんとちゃうの?」
という意見もあるだろう。我が国はどのような発言も自由である。
一方、下記のような事実をみるとき、みなさんはどう感じるだろうか?

●まぐまぐの有料メールマガジン「週刊MEGA地震予測」が読者30,000人を突破
 https://www.atpress.ne.jp/news/52087   (2014.10.07)
 ※月額216円なので、600万円以上の収入である。まぐまぐ以外にニコニコchや
  携帯サイトでも有料配信中なので、収入合計はこれを遥かに上回るだろう。
●携帯電話基地局を利用した新たな災害対策の取り組み
 -地震や津波に対する予測・監視システムの構築に向けた取り組み-
 (NTTドコモ、2016年3月2日)
 https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2016/03/02_00.html
 (以下引用)"NTTドコモは(中略)地震科学探査機構(代表:橘田 寿宏、以下、JESEA)
 が研究する地殻変動から地震の場所と時期を予測する「地震予測システム」の実証実験
 への協力(中略)を2016年3月4日(金曜)から開始いたします。"
 "ドコモは、パートナーとともに新たな価値を協創(中略)、今後も災害対策への取り組みを
 強化してまいります。"
 (注:分かりやすく言えば、地震科学探査機構(JESEA)の地震予測情報に基づき、
  ドコモとして予測サービスを行う用意がある、と言っている)

4/14時点で村井氏本人も認めるように、JESEAの地震予測はあたらないにもかかわらず、
高額の収入を得た上に、国の基幹的な通信会社が協力を始めている状況である。

この東京大学名誉教授が顧問を務めるJESEA(地震科学探査機構)の地震予測、
あなたは信じますか?

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おまけ:
JESEAの地震予測が実はすごくよく当たる。理由は簡単である。
村井氏は(学術論文ではなく)週刊ポストにおいて地震予測の発表を行うのがお好きのようで
あるが、実に広いエリアに対して地震予測を出している。
post.JPG
たまたまキャプチャーしていた、週刊ポスト2016年1月22日号の表紙。
ここに載っている予測地図では、日本列島のほぼ全域がカバーされていた。

これならば地震予測は必ず当たるであろう。下記のブログ「横浜地球物理学研究所」さんでは
拙ブログよりも詳細に、JESEAの地震予測を検証されている。ぜひご参照いただきたい。
●村井俊治氏(JESEA)の言っていることは、支離滅裂で信用できません
 http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/70721936cee7b13543e27c3ca0998751
●村井俊治・東大名誉教授は、2016年熊本地震(最大震度7)を、全く予測できませんでした
 http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/a525982aff0851971b3774b45b7f2ce6
●「熊本地震の場所は言い当てていた」という村井俊治氏の釈明は本当か?
 http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/7f0657a1b514a505b7518b2d235a9d29

これに加えて、予測時期も適度に伸ばせれば、地震予測はさらにあたるだろう。
例えば次の地震予知は、発表からなんと3年間も延期を繰り返しているが、まだ地震は
起きていない。広い地域に地震予測を出し、地震が起きるまで予測先延ばす。
このような地震予測は「必ず当たる」のだ。
●「酷い地震予知」に騙されるな 
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2013-03-11
 ※コメント欄もみてねー(追記あり)

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伊牟田勝美

村井氏は、衆議院第二議員会館で全国災害ボランティア議員連盟に所属する地方議員らを前に講演を行い、エンジン全開のようです。

村井氏の地震予知は、成功率に拘っているため、利用価値のない予測内容になっています。仮に、村井氏が注意を促している地域の住民全員が避難しようとすると、人口の8割以上が最大2年以上も避難を続けることになりますね。もう、無茶苦茶です。

もう一つは、なぜ地震を予測できるかの説明がないところも、問題です。
地震予知は、時期・場所・規模の3要素をそれぞれ精度高く予測しなければならないのですが、個々に予測方法を検討するのではなく、3要素をごちゃまぜにして、一つの計測項目だけで予測できるとしていることが、酷いですね。
私は、少なくとも「時期」と「場所・規模」の二つに分けて計測しなければ、地震を予知できないと考えています。また、「時期」を知るための前兆があるとすれば、地震の規模に関係なく、非常に微小な現象だろうと考えています。
(コメント末の名前をクリックすると私の考え方を書いたブログに飛びます)

村井氏に限らず、地震予知ができると主張される方々は、このような考え方をせず、ひたすら「コロンブスの卵」を探しているところが愚かに思えます。
その上、デタラメ地震予知情報を有料で流しているとなると、悪意さえ感じるのです。

by 伊牟田勝美 (2016-05-24 00:38) 

MANTA

>仮に、村井氏が注意を促している地域の住民全員が避難しようとすると、
>人口の8割以上が最大2年以上も避難を続けることになりますね。
それは興味深いですね。
日本から人間がいなくなれば、地震災害もなくなりますね!(棒読み)

>もう一つは、なぜ地震を予測できるかの説明がないところも、問題です
特許を取られているそうですから、詳細は開示されないのでしょう。
ちなみに特許とは発案だけで取ることができます(それっぽい根拠となる
グラフなどが付いていれば十分)。

詳細がわからないので、科学としては議論できません。
ですので、本記事でも科学的検証抜きで、村井氏の発言を中心に、書かせて
頂きました。感想レベルですが、いろいろな方のご参考になりましたら幸いです。

※まあ、科学的な面でも、おかしなところ満載なんですが、それはまた
 時間ができた時でも、本ブログで書かせて頂きます。
※ブログ拝見致しました。
by MANTA (2016-05-24 07:27) 

MANTA

参考:当たって当たり前?「MEGA地震予測」を科学的にどう見るか
 https://thepage.jp/detail/20150912-00000003-wordleaf
 ※島村先生の批評。

by MANTA (2016-05-25 07:31) 

伊牟田勝美

>当たって当たり前?「MEGA地震予測」を科学的にどう見るか

この記事は、MANTAさんも御存知の横浜地球物理学研究所さんの『「週刊MEGA地震予測」の内容は、全く信頼できません』とほぼ同じ内容でした。
横浜地球物理学研究所のURL:http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/98691b7b417e3670144d0d61fe544e41

ついでに言うと、島村氏の記事にある「じつは7月1日には雨が降り、その影響だった可能性が高いのです」は、私が8月14日に書いたコメントとかぶっています。

残念ながら、個人的には全く新鮮味のない内容でした。
by 伊牟田勝美 (2016-05-26 00:14) 

MANTA

>残念ながら、個人的には全く新鮮味のない内容でした。
伊牟田勝美さん、そうなのです、新鮮味などありません。
村井氏の地震予測はかように多くの方から科学的誤りを指摘されているのです。
一方で、NTTなどは協力(協創)しようとしている。

私ができることは、プロの研究者として、関連情報をこうしてまとめて発信する
ことくらいです。ご存じの方には申し訳ありませんが、ご容赦下さい。
by MANTA (2016-05-27 18:47) 

伊牟田勝美

世の中の地震予知は、多くは「宏観現象」を用いていますね。
「地震の前に〇〇があったから、前兆に違いない」として、精々後付けの科学的(?)な説明を加える程度です。
有料も無料も関係なく、決定的に科学的証明が欠落していますね。

まず、よく言われるように、統計的な検証がなされていません。
「偶然ではない」事を、統計的に証明していないですね。(村井氏は特にひどい)
精々、他でも類似のパターンがあった事で、満足しているようです。

仮に、宏観現象が地震と関係があるとしても、前に発生した地震の影響か、まだ発生していない地震の前兆か、区別している例を見た事がありません。
地震は、前震より余震の方が、強く、長く、多く、影響を残しますが、これを無視しています。
また、たとえ大地震の前兆であったとしても、周辺の小規模の地震の影響より強く出るとは考えにくいところです。(早川氏はこのあたりを無視した地震予知を行っています)


こうして見てくると、未来人の件も含め、日本の理科離れは深刻ですね。
by 伊牟田勝美 (2016-06-22 12:39) 

MANTA

>仮に、宏観現象が地震と関係があるとしても、前に発生した地震の影響か
>まだ発生していない地震の前兆か、区別している例を見た事がありません。
伊牟田勝美さん、コメントありがとうございます。
上記、そのとおりと思います。テキトーな地震予知が、地震発生のメカニズム
の議論をすっ飛ばしているためでしょう。「メカニズムなどどうでもよい、すこし
でも防災・減災に資する情報を出すことこそが大事」というヒトに、ろくな学者は
いませんし、しばしば「工学は応用に重きをおいているので、これでよいのだ」
というヒトもいますが、そんな人こそ工学を理解できていないようです。

>こうして見てくると、未来人の件も含め、日本の理科離れは深刻ですね。
これも深刻ですね。。。
by MANTA (2016-06-23 18:58) 

伊牟田勝美

「未来人」ついで、もう一つ。

未来人て、タイムトラベルで未来からやってきた割には、なぜか、更に時間を遡るのではなく、順当に未来に向かって再来時期を宣言するんですよね。
私が未来人なら、時間を行ったり来たりしますね。

未来人の行動は、全然、タイムトラベラーらしくないんです。

でも、「未来人」を名乗る人には、会ってみたいですね。
そして、色々と質問してみたいと思います。
例えば、二週間後の天気とか。
コンピュータによる数値計算でも、10日先の予測が限界とされています。
今の時期、雨の確率が高いので、尚のこと、予測が難しいのです。

ちょっと意地悪でしょうか。
by 伊牟田勝美 (2016-07-05 23:05) 

MANTA

>でも、「未来人」を名乗る人には、会ってみたいですね。
>そして、色々と質問してみたいと思います。

こういう人は、何を聞かれても答えられると思いますよ。
「すべての時間を調べているわけではない」などと言い逃れるんでしょうね。
占い師を同じで「私のいうことを最初から疑う人には、私は予言をしません」
って言い出したりね。占い師の手口(コールドリーディング)が効くのは、
占いを信じる人のようですから。

未来人の予言といっても、その中身は相当曖昧なようですね。
これはマルチプルアウトという占いや予言でよくある手法です。

あと5/17に地震が起きるという予言が外れたのは「あれは未来人ではなく、
なりすましが予言したから」だそうです。
ハズレた場合の対処法もすでにあるので、無敵ですね(笑)
by MANTA (2016-07-10 04:56) 

MANTA

参考:
イカサマ霊能師やインチキ占い師の手口まとめ
http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20070415/1176651449

こうしてみると、村井氏の地震予知は上記の「マルチプルアウト+確証バイアス
+ショットガンニング」そのものですね。
いやー、勉強になりました。 m(_ _)m
by MANTA (2016-07-10 05:03) 

伊牟田勝美

村井氏は、16日のTwitterで、『森田先輩から「本物になれ」を教わりました。』と書いています。
御本人の地震予測も、「本物」にしてもらいたいところです。
11日のTwitterでは、杉田コーチの指導が素晴らしかった旨が書かれています。ですが、地震予測では、杉田コーチに代わる指導者が居なかったようです。
そこで、自ブログに「杉田から村井君へ」と題して、村井氏を指導する文を書いてみました。
私自身は、村井氏を馬鹿にして書いていますが、内容は真っ当だと思っています。


私自身、しつこいと言うか、粘着質と言うか、またまた本テーマにコメントしてしまいました。

どうかお許しを。
by 伊牟田勝美 (2016-07-17 01:17) 

MANTA

>私自身、しつこいと言うか、粘着質と言うか、またまた本テーマにコメント
>してしまいました。どうかお許しを。

伊牟田勝美さん、コメントありがとうございます。
自然科学は自然の真理を追求する学問です。
嘘っぱちは必ず淘汰されます(と信じています)。
一方、人間はエセ科学やニセ科学に騙されます。

私個人は村井氏が何を言おうと自由だと思っています。
ただ一般市民がそれに騙されてしまうのは許せません。村井氏が許せない
というよりも、科学的素養が根付かない市民に少しでも
「科学とニセ科学は違うんですよ」ということが中々伝わらない自分に対して
です。科学の面白さや正しさを伝え続けたいと思っています。
(しかし科学とニセ科学の差は実は微妙で、見極めには科学的センスが必要)

ですので、私もまた村井氏ネタを取り上げるかもしれません。
それは「しつこい」というより、信念なので気にされなくて良いように思います。
by MANTA (2016-07-17 19:52) 

MANTA

追記:やっぱりね。
●「2年前から警戒していた」専門家が語る熊本地震が予測困難だった訳
 http://www.mag2.com/p/news/183693

5月5日時点ですでに、か…いい加減にしろ。
by MANTA (2016-11-14 18:04) 

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