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鳥取の地震にみる、誤りとホント(たぶん) [ 電磁気で地震予知]

昨日、鳥取でマグニチュード(M) 6.6の地震が起きました。
京都もまあまあ揺れましたが(震度3)、揺れる前に緊急地震速報(こちら
の警報音が携帯電話から鳴りましたので、身構えることができました。
(30秒ほどの余裕があったと思います)

現地では余震が続いています。
防災科学技術研究所のHi-netをみると、こんな感じです。
EXP31.jpg
http://www.hinet.bosai.go.jp/hypomap/?LANG=ja より

余震の震源は縦方向(北北西-南南東方向)に並んでいます。
おそらくこれが今回の地震時にずれ動いた断層なのでしょう。
(断層に沿ってM6.6の地震が発生、それにそって余震も起きている)

報道によれば、「未知の活断層が動いたのでは」とされていますが、
●鳥取地震「横ずれ断層型」 熊本と同じ内陸直下  気象庁が見解
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG21H2J_R21C16A0EA2000/
上図で示される活断層(水色の線)をみると、近くに南北に伸びる活断層があるようです。
これに並行する別の断層が、今回の地震を引き起こしたと思われます。

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ところで、今回の地震ですが、10/10に震度2の地震、さらに昨日の昼過ぎにも震度4の
地震が起きていて、今回のM6.6の前兆だったのではないか?と言われているようです。
●「やっぱり」「まじで来た」 鳥取で震度6弱の予兆
 http://www.j-cast.com/2016/10/21281431.html

まず10/18の地震の震源地は鳥取県「東部」で、今回の震源地とはかなり離れています。
これは無関係でしょう。一方、昨日昼頃の地震は前震だった可能性が考えられます。
最近、このような「中・小規模の地震のあとで、大地震がやってくる」パターンが目立ちます。
地震学では、ある地域の一連の地震活動のうち、最も大きかった地震を「本震」と呼び、
本震より前に起きる地震を「前震」と呼びます。
・2011年の東北地方太平洋沖地震=本震の2日ほど前に大きめの前震
・今年4月の熊本地震=本震の1日ほど前に大きめの前震

ただし、「大地震の前には前震や前兆がある」 と思い込むのは
誤りです。多くの地震では前震はありませんし、前震があったとしても、あとから
「あれは前震だったなぁ」と分かる場合ばかりです。熊本地震でも東北地方太平洋沖地震も
そうでした。ですので、どこかで小さな地震が起きたからと言って、大地震がくるのを過剰に
心配したり、あるいは小さな地震も起きないから大地震も起きない、と思うのはいずれも間違い。
いつ、いかなる状況で日本に大地震がきても、不思議ではない。 普段の(不断の)防災!
(そもそも前震がいつも起きるのなら、地震予知はもう実用化してるよね)

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また今後、鳥取地方での大きな余震を心配する声があります。気象庁も言ってますが、
あと数日は大きな揺れに気をつけてください(被災した自宅に早々には戻らない、など)。
ただし、熊本地震と今回の鳥取の地震には明確な違いがあります。下図を見て下さい。
yoshin.jpg
元データは下記:
- 地震情報(震源・震度に関する情報)
 http://www.jma.go.jp/jp/quake/quake_singendo_index.html
- 震度データベース検索
 http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.php
最初の(大きい)地震発生後、震度3以上の余震が合計何回起きたかを、累積数で
示しました。鳥取での地震は、熊本地震と規模が同程度ですが、熊本地震の余震発生数が
異常に多い様子が分かります。この「異常さ」が、熊本での2回目の震度7の大地震に
繋がったのでしょう。一方、鳥取での余震の多さは「普通」ですから、今後さらに
大きな地震が鳥取を襲う可能性は低いと個人的には思います(注)。

では次に、日本のどこで地震が起きるのか? そんなの分かるはずありません。
そもそも前震の発生が本震の発生にどう影響しているかすら、学術的にはハッキリと
分かっていないのに(ついでに言えば、本震と余震の関連性も解明できていない)、
時間も場所も離れておきる「次の地震」を科学的に予測することは困難。
一般の方々が期待するレベルの予測は現状ではできないと断言できます。
が、歴史に学ぶところはあります。次回に続きます。

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注:この記事を準備している最中に、気象庁からも同様の「主な地震の地震回数比較」が
発表されました(本日10時)。この余震数からみると、やはり今回は「普通」の地震です。
●平成28年10月21日14時07分頃の鳥取県中部の地震について(第2報)
 http://www.jma.go.jp/jma/press/1610/22a/kaisetsu201610221000.pdf

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伊牟田勝美

JAMSTEC横浜研究所に行ってきました。
存在感が薄い私ですので、誰にも「伊牟田勝美」だと気付かれる事はなかったはずです。(^-^;

昨日、鳥取で地震があったばかりですので、地震に関係する展示は、感心を持つ方が多かったように思います。

その中で、東大名誉教授の村井氏の名前が出てきました。
説明をしてくださっていた方は、明確な言葉で、村井氏の地震予知を完全否定されました。
ちなみに、MEGA地震予測の数ある警戒区域の中に、今回の震源が含まれるものがありました。
地震予知を成功率でしか評価できない方は、これを村井氏の功績と取るのでしょうね。
歯痒いです!!!!!!
by 伊牟田勝美 (2016-10-22 17:40) 

MANTA

伊牟田勝美さん、横浜県の一般公開でしょうか?
あそこには地震関係の(本物の)研究者がいるので、
ホントの話が聞けたと思います!

by MANTA (2016-10-23 18:00) 

伊牟田勝美

>横浜研の一般公開でしょうか?

はい!

色々と興味深い話が聞けました。

日本海の地震の展示では、大和碓の形成から日本海の形成過程が話題になりました。
別の場所では、学生時代は大深度地震を研究していた方と、マリアナ海溝からウラジオストクまで直線的に続く大深度地震で盛り上がりました。
また別の場所では、地震のタネは地震の規模に関係がないとの説が有力になり始めていると聞きました。これは、私の持論と一致します。
地震以外にも、ハオリムシが共生生物を体内に取り込む時期の話題から、人間の腸内で共生する腸内細菌が体内に取り込まれるルートにまで拡がりました。
「ちきゅう」の展示では、高知コア研究所の一般公開に誘われました。
また、森林の成長シミュレーションでは、熱帯雨林ではリン酸が不足しがちだと知りました。

とにかく、私の好奇心を満足させる場所でした。

ただ、またしてもライザーパイプ鉛筆は見つける事が出来ませんでした。
by 伊牟田勝美 (2016-10-24 01:00) 

MANTA

追記:そして大きな余震は来ていない。
そりゃそうだ、下記の通り。熊本地震が異常だったのである。
●M6の地震直後にM7、確率は0.3% 東北大教授計算
 http://www.asahi.com/articles/ASJ4P73DVJ4PULBJ01Z.html
by MANTA (2016-11-19 22:06) 

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