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旅する「ゆっくり地震」 [ 電磁気で地震予知]

※連載【電磁気で地震予知】のプロローグです。

1週間ほど前に次のようなニュースが小さく報道されていました。
●<ゆっくり地震>人体無感の長周期の地震 四国〜東海で発生
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061201-00000025-mai-soci

これはおもしろい発見です。絵にすると下のようです。

 200kmを17日間で旅する「ゆっくり地震」

図の黄色・赤・紫・青・水色は全部「ゆっくり地震」の震源の地域です。
地震は断層がずれて起きますが、ゆっくりずれると地面もグラグラとは揺れずにジワーと
揺れます。人の体には感じませんし、建物ももちろん壊れません。これを「ゆっくり地震」
とか「スロー地震」と呼びます。地震の大きさとしては全部あわせるとM6.2だそうです。
阪神淡路大震災のときはM7.2ですから結構大きいですね。

しかも今回のゆっくり地震は、三重県の黄色のエリアで今年の1月7日に発生してから→赤→紫→
青→水色へと順番に発生していったようです。まるで何かが地下を移動してるみたいです
ね。その距離なんと200km。1月23日まで17日間かかって「移動」しましたから一日10km強。
歩く速度より遅いですが地中を進む?にしては速いですね。ゆっくり地震の深さはどれも35km
くらい。西日本の陸地と、その地下に沈み込んだ海洋プレート(フィリピン海プレート)のちょうど
境目で起きているようです。

さてゆっくり地震そのものは被害も起こしませんし人にも感じない無害なやつですが、
安心してはいけません。

 
 ここにタオルを用意します。
 マウスオーバーしてみてください。

唐突にタオルがでてきましたが、例えばタオルの端をずらして見ましょう。
マウスカーソルを写真にあわせてみてください。タオルの一部にしわができます。当たり前ですね。
今度はタオルの真ん中をずらしてみます。マウスカーソルを写真にあわせてみてください。

 
 またタオルを用意しました。
 マウスオーバーしてみてください。

タオルがより広範囲にしわしわになります。当たり前です。

ゆっくり地震は、まさに写真の「手」に当たるわけです。つまり、ゆっくり地震がおきた後には
海側と陸側のプレート境界(断層)にしわしわ=地面のひずみがたまるわけです。
ゆっくり地震のマグニチュードが大きければ、地面にたまるひずみも大きいです。

  ひずみが増えれば巨大地震がおきやすくなる。

今回のゆっくり地震では三重~愛知にかけて広範囲にひずみがたまりました。
タオルの写真でいえば、真ん中をずらした場合と同じです。
当然、将来起きるであろう東南海地震や東海地震にも影響するでしょう。
こうなると「おもしろい発見」などともいえなくなってきます。

…ところで、ゆっくり地震の時には地面の微妙な傾きも観測されました。角度はわずか
0.1μrad=100万分の6度です。1000mの高さ(!)のビルが、髪の毛の太さ分=0.1mm程度
わずかに横に傾いた角度に相当します。これだけ高精度に地面の震動や傾きを測れるように
なったので、ゆっくり地震を発見できたようです。

ゆっくり地震の観測が地震の予測にどの程度役にたつかは、近年整備された高精度の
観測網の成果をもう少し積み上げると明らかになってくるのではないでしょうか?

以上の記事の詳細は防災科学技術研究所の報道資料をご覧ください。
●フィリピン海プレートと陸側プレートの境界で発生する新たな"ゆっくり地震"の発見
 http://www.bosai.go.jp/koho/press/061201tyotei.pdf
●東海地域でスロースリップを観測−2006年1月の東海地域における移動性スロー
 スリップ及び深部低周波微動−
 http://www.bosai.go.jp/koho/press/toukai.pdf

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この記事を書いている最中に地震が!震源地は千葉。我が家では「あ、揺れたかな?」
くらいでした。地震のマグニチュードはM4くらいだそうです。三重~愛知へのゆっくり地震
のマグニチュードはM6.2=なんといまの地震の1000倍のエネルギー!こんなに大きいのに
だれも気づかないなんて、「ゆっくり」ですねー。


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honyapin-turedure

わかりやすいなぁ~♪って、ノンキに言ってられる話でもないですが(- -;)
近畿圏でも大きな揺れとご無沙汰ですから 「ここでも・・・溜まってそうだねぇ」が、テレビの地震情報を見る度の、私とダンナの会話です。(上町断層上ではないけどすぐ近くでーす・・・言い方ヤケ?)
by honyapin-turedure (2006-12-09 16:02) 

Murano-Brain

港湾規準が見直され,来春には長周期の地震に対する対応をするわけですが,それとは別の次元になっているような気がします
地殻自体の大きな変動が起こる事がわかったということでしょうか
by Murano-Brain (2006-12-09 21:49) 

MANTA

- そういう「溜まってる、溜まってない」ってのがゆっくり地震の観測でわかるかもしれないと関係者は期待しているのです > ほにゃぴんさん
いつ起きるかが分からなくても、せめて危ないかどうかは知りたいですよね。

- 長周期の地震とは、遠い未来の地震という意味でしょうか>Murano-Brain さん
たぶんそうなのでしょうね。
今回のゆっくり地震発見の意義については次の記事に紹介してみました。またご覧ください!
by MANTA (2006-12-11 02:08) 

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